荒井明夫ブログ

関東大学リーグ戦は5勝2敗で大学選手権出場です。
11月28日、関東大学リーグ戦最終戦で、対中央大学戦でした。お蔭様で50-13で勝利することができました。最終戦は第6戦の専修大学戦に続いて有観客試合で、多くの方がお出かけ下さいました。応援ありがとうございました。
お蔭様をもちまして、我が大東文化大学ラグビー部は、リーグ戦5勝(流通経済大学・法政大学・関東学院大学・専修大学・中央大学)2敗(東海大学・日本大学)で終えることができました。
この試合、前半こそリズムに乗れず5-8とリード゙を許しましたが、後半はスーピーディーな攻撃とディフェンスで大東文化大学らしいラグビーができたと思います。もちろん、ラインアウトや細かなミスなど修正すべき課題は残ります。修正して大学選手権に備えたいと思います。
その大学選手権ですが、12月18日に花園でおこなわれます。対戦相手がどこになろうとも大東文化大学らしいラグビーをしてほしいと思っています。応援よろしくお願いします。
山口調査報告
山口県での史料調査に久しぶりに出かけてきました。
出かけた先は、新型コロナでしばらく閉館されていた山口県文書館です。9月下旬にようやく開館されるという報告を受けて、時間の都合のついた先日、2泊3日で出かけてきました。
20年近く研究を続けてきた防長教育会と山口高等中学校の関係史料と、学齢児童就学関係史料の収集です。4時間新幹線に乗って山口に到着後、直ぐに文書館に飛び込みました。
その日に史料のあたりを付け、翌日開館と同時に閉館まで史料とにらめっこです。全部で500コマ以上を撮影してきました。
まずは山口県の明治期児童就学関係史料の調査です。期待していた就学実態に関する史料は明らかになりませんでしたが、『県教育史』等で不明だった明治19年と明治25年の「学齢児童就学規則」関係史料をみつけ、撮影することができました。
次に、かれこれ20年近くなる「山口高等中学校関係史料」の調査です。実は、初めて訪問したのが20年程前です。そこでは史料の所在についてはつかんでいました。当時の一眼レフフィルム・カメラを持参し一部を撮影したのですが、全貌がどうしても知りたいというストレスをためていました。その間、別な所蔵史料機関である山口大学など訪問していました。今回、「山口高等中学校一覧」や「山口高等中学校一件」といった必須史料を全部一眼レフ・デジタルカメラに撮影してきました。
ここに収録されている史料郡によって、山口高等中学校の性格に関する全貌が明らかになると期待しています。
例えば、上記は「管理条項」ですが、県・文部省・設置主体である防長教育会との権限関係が明らかになります。そしてその防長教育会についてですか、これまで、存在は認められている有名な団体ですが、どのようにして成立したのかなど謎が多くありました。以下の史料は成立の全貌を明らかにできる史料として期待しています。
このHPの「研究活動」でも紹介してきましたが、山口県の分析は非常に遅々とした歩みですが、これを契機に論文作成に向かって邁進していきたいと思っています。
大学の現状とそれを憂いている人への好著2冊
大学の現場は病んでいる。意味不明の仕事が多く、貧困な予算の下で補助金を獲得するためのあらゆる競争に巻き込まれ、行政から次から次へと来る「改革」という名の圧力にさらされている。1991年に大学設置基準は「大綱化」されたはずであるが、それ以降の30年は「改革」のために走り続けさせられてきた。大学の現場は、教育よりも様々な申請書類を書かされる場と化し、研究に費やす時間がなかなかとれないという現状である。そんな中で、政府が主張する「世界の大学ランキング゙上位に日本の大学を」などというスローガンはただ虚しい限りである。
そうした大学の現状に対し、心ある大学人たちは本当に危機感を抱いて憂いていることと思う。こんな教育と学問研究の現状では、一体日本の将来はどうなってしまううのかと。
そうしたときに出た、本当に名著がある。
友人で京都大学の教授である駒込武さんが編著者になって各国立大学・公立大学の現状を告発した本である。今どうなっているのか恐るべき実態が描かれている。問題は国公立大学だけではなく、私立大学にも関係してくるはずである。いまから備えておきたい。
2019年に出た佐藤郁哉先生の『大学改革の迷走』は、そんな大学の現場で疲れ果てている大学人が読むべき好著である。毎年の風物詩である「次年度シラバス執筆」、PDCAサイクルの現実、大学現場の面従腹背と過剰同調、大学政策の「無責任の体系」等々。読んでいて「溜飲の下がる」思いである。478ページの大著であるが、読み始めると止まらない。
大学「改革」現場の中で奔走さ(せら)れている人に是非一読を進めたい。その原因がどこにあるか、しっかりと理解できる好著である。