荒井明夫ブログ

『研究成果報告書』を刊行しました。

本HPの、「研究活動」欄でも記しましたが、『研究成果報告書』を刊行しました。2014(平成26)年度から2017(平成29)年度まで受けてきた日本学術振興会・科学研究費・基盤研究B「近代学校の組織化に関する地域史研究─就学行政の『勧奨』と『督』の構造化─」の研究成果です。

本共同研究は、私を研究代表者とする合計9名の研究者の共同研究です。1880年代前半の、各道府県が発した「就学督責規則」を収集し、整理・分析したものです。

なによりも成果なのは、全47道府県の就学督責規則を収集・整理した点にあります(福島県・沖縄県は未発見)。さらにいえば、「督責」の方法・地域における就学政策の展開・近世社会との連続性・罰則規程や「強迫」との連続性などを解明したことが上げられます。

今後の課題は、前の時代である1870年代との連続性と非連続性、あとの時代である1880年代後半~1890年代の各道府県が発した「就学規則」の収集・整理・分析です。これらの作業によって、義務教育制度が成立していく過程での地域からの公教育創造の動きがみえてくるものと思っています。

2017年4月から2018年3月までの研究活動

2017年4月から2018年3月までの研究活動です。

①2017年度大東文化大学・教員免許更新時講習・必修科目講義(8月21日・22日)。※今年は「道徳の教科化」を中心テーマに講義しました。

②2017年度教育史学会第61回大会(於岡山大学、10月8日)・コロキウム『就学の政策転換─「勧奨」から「督励」へ」のオルガナイザーを努める。

③就学督責研究会第8回例会(於・大東文化大学、7月29日~30日)第9回例会(於・大東文化大学、8月28日~29日)開催。

④日本学術振興会平成30年度科学研究費・基盤研究(B)研究計画調書の作成。

<執筆論文>

①「国民の教養と中等教育の役割」『大東文化大学教育学研究紀要』第8号所収。

②(研究ノート)「専門学校成立史序説」『大東文化大学史研究紀要』第2号所収。

③「本共同研究の課題と方法および研究成果」『2014(平成26)年度~2017(平成29)年度科学研究費補助金・基盤研究B・研究成果報告書・近代学校の組織化に関する地域史研究─就学行政の『勧奨』と『督責』の構造化─』所収(本HPのブログ参照)。